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岩国航空ショー

 航空ショーを一度見たいと思っていました。でも、積極的な情報収集を行っていたわけではなく、 その機会を偶然に見つけました。家内がとあるサークルの友人とバス旅行のチラシを広げて、どのツアーに 行こうか?と言う話をしていました。そのチラシを一目見るなり、「岩国航空ショー」の文字が私に 飛び込んで来ました。

 話は前後しますが、熊本城築城400年祭(2007年4月28日)にて、熊本城でブルーインパルス 祝賀飛行がありました。その日、私は、そのような催しがある事はつゆ知らず、 自宅でくすぶっていました。耳をつんざくような爆音が何回か聞こえ、何だろうと思って外に出た私の上空に ジェット機がスモークを断続的に出しながら飛んで行きました。とっさに、航空ショーかな?と思いました。 熊本城築城400年祭のイベントであった事は、その後のニュースで知りました。私の自宅は熊本城から 直線距離で約6km離れていますが、演技中にここまで飛んでくるのですね。熊本城まで見に行けば良かったと 後悔しましたが後の祭り・・・。

 このツアー(2009年5月5日開催)には、家内は興味を示さなかったので、次男と二人で申し込みました。 熊本交通センターを 前日の21時出発です。私たちのバスは5号車でした。全部で何台だったか覚えていませんが、熊本からの このツアーだけで6〜7台分の参加者があったのですね。バスの乗り口の座席割りを見て悪い予感がしました。 私たちの座席は後ろから3番目で、最後部は10名程度の「○○様クループ」が陣取っていたのでした。

 その不安は的中したのです。出発後缶ビールをシュポシュポ開ける音がしておじさん達の酒盛りが始まりました。 そして、大きな声でのおしゃべりが続きました。そのうち焼酎とスルメの匂いも漂って来ました。 「おっと」と言う声は酒をこぼしたのかな?と思っていると、後ろから足もとに液体が流れてきました。 酔っぱらいと係わるのは嫌でしたし、もう少しすれば、酔っぱらって寝てしまうだろうと思っていました。 ところが12時を過ぎてもまだ終わらない。そのうち「おしっこが漏れる」「窓からしようか、コップに しようか」と言うような声も聞こえて来ました。ちょっと待って!焼酎、スルメの匂いに加えて、オシッコの 匂いも嗅がされたのではたまりません。それどころか、こちらに流れてくるかも!

 幸い、流れて来ないうちに1時にサービスエリアでトイレ休憩がありました。、 その時に添乗員さんに注意してほしい由、言いました。私だけでなく他のお客さんも同じような苦情を 言っていました。添乗員さんの注意を受けて、酔っぱらいグループは静かになりました。マッタク、添乗員さん も、苦情が出る前に注意して欲しかったものです。でもまあ、これで航空ショーに備えてゆっくり眠れる と思っていた矢先に、後ろの人(酔っぱらい)が私の肩をたたくではありませんか!絡んできたらどうしようと 思ったのですが、結構丁寧な口調でしたのでホッとしました。行き先が決まっているはずの ツアーバスの中での仰天会話を聞いてください。

(@v@)酔っぱらい「このバスはどこまで行くのですか?」
 (゚〜゚;)困った私「岩国の米軍基地です」(衝撃的質問にびっくり!でも事務的に回答)
(@v@)酔「私は熊本にいたんだけど・・・。バスは次どこに止まりますか?」
 (゚〜゚;)私「あと一時間もすれば、サービスエリアでトイレ休憩です」(完全に酔っぱらっている!)
(@v@)酔「そこで降りられますか?」
 (゚〜゚;)私「ツアーバスは、途中では降りられないと思います」(あなたの意志で乗ったのでしょう?)
(@v@)酔「降りたいんだけど」
 (゚〜゚;)私「添乗員さんに聞いてください」(酔いがさめたら航空ショーの事を思い出してね)
これ以上の質問はなかったのでホッとしました。まったく、この人は何のためにバスに乗ったのでしょうか。 以上、とんでもない航空ショーの逸話でした。 (航空ショーだけに、とばないはずはありません)

 白々と明けて来る頃に岩国に到着しました。添乗員さんから支給された弁当をバスの中で食べて 空軍基地に入りました。入場口では、空港の搭乗ゲート並みの荷物検査がありました。小雨がぱらつく中 入場ゲート前で待ちました。既に物凄い人出です。ゲートが開くと同時に一斉に入場開始です。 とりあえず展示されている飛行機の中に入る順番待ちの列に並びました。
KC−135
空中給油機
KC−135操縦席
KC−135給油口
(最後尾の穴)

 続いて、これも空中給油機(KC−130J)で、実際に給油している状態(に近い?)です。 給油を受ける戦闘機は、HORNET(F/A−18)とHARRIER(AV−8B)。 戦闘機が 実際に飛んでいる所をこんな近くで見るのは初めてでしたし、ましてやこのような光景はそれ以上に珍しかったです。 なるほど、戦闘機は編隊飛行が出来なければ、空中給油が出来ないのだなと納得する光景でした。

 場面は変わって・・・、超音速戦闘機が低空飛行で眼の前を通り過ぎる時は圧巻でした。戦闘機は、音もなく目の前に 現れるのですね。通り過ぎたと思った所で物凄い爆音が聞こえて来るのです。本当に驚きました。 写真を撮りたいのですが、私の腕前と安物デジカメでは撮れません。現地を訪れて体験してもらわない事には、 この衝撃は伝えられません。

 食事を手に入れるのは大変でした。どの店の前にも長蛇の列です。ピザを買うための列には、次男が 並んでくれました。このピザ(1300円)は絶品で長時間並んで買った甲斐があったというものです。私は 焼きそばの列に並びました。この暑さと調理の熱気、それに多量の焼きそばを調理するために力が入っておじさんは 汗だくです。汗も焼きそばの中に入っているのではないかと心配しながら待ちました。受け取った焼きそば を見てびっくり。麺の中にキャベツの切れ端が二つ三つ入っているだけ。それが500円(だったかな?)とは! 飲み物一つ手に入れるにも行列でした。

 それともう一つの苦労はトイレです。これにも長い列。おまけに簡易トイレで汚い。

 何気ない写真に見えますが、本当はすごい写真なのです。前にも言いましたが、私の腕前と安物デジカメでは、 まともに飛んでいる戦闘機 をきれいに写す事は出来ません。写っているのは、HARRIER(AV−8B)です。この戦闘機は、垂直離着陸機 で、ホバリング(ヘリコプターみたいに空中で静止)している所の写真なのです。極低速での飛行や、バックする事も 出来るのです。アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画トゥルーライズに出ていた戦闘機ですので、ご存じの方も 多いのではないでしょうか。垂直離着陸のデモンストレーションもありました。それはそれは物凄い爆音が します。燃料の消費量もすごいでしょうね。

 ツアーバスの数もすごいです。この列が何列もあるのですよ。

 人ごみの中に浮かぶ海上自衛隊の飛行艇(US−1)。

 人ごみに巻かれている戦闘機たち

 芝生エリアの人々。横になってお休み中の人も・・・。○○様グループもお休みかな?

 一部芝生の場所もありますが、会場のほとんどはコンクリートです。脚立を持っている人は、 立派なカメラを持っていて、このようにして人ごみに邪魔されることなく撮影をしています。 でも、後ろから見る人にとっては迷惑千万。

 最後にブルーインパルスの演技です。乗組員の紹介とか、ジェット機に乗り込む様子等が実況中継 されますが、私達がいる所からは、全く見えません。(早く飛んでくれ〜)
 やはりブルーインパルスの演技は秀逸でした。大空に描かれるジェット機の軌跡。それは石に刻まれる刀痕と 同じく、一度きりの真剣勝負です。このような所で篆刻の真髄との共通点に出会うとは想像する事すら出来ませんでした。

 ○○様グループの騒音に悩まされて、 人ごみに飲み込まれそうになって、暑い日差しにさらされて、ケチな焼きそばに文句を付けて、それでもここまで来て良かった と思いました。バーティカルキューピッド(ハートを矢で射抜く)、スタークロス (大きな星型)の演技もありましたが、スケールが大きすぎて、広角レンズをつけられるカメラでないと撮れません。

 参考までに、航空ショーを見に行く時にあれば便利な物を記します。基地は一部芝生もありますが、 コンクリートだらけです。暑さ対策が重要です。
・帽子・・・暑さと日焼け対策
・白い長そでシャツ・・・日焼け対策
・日傘・・・暑さと日焼け対策。雨傘でOK。雨が降った時にも役に立つ
・折りたたみ椅子・・・コンクリート上で待ったり、見たりする時に有ると楽
・濡れティッシュ・・・トイレに行っても手洗い水がなかったりするので
・弁当、飲み物・・・ピザ、ステーキのような米軍基地の味を試してみたければ不要

 17時頃バスに乗り込みました。多くの車が一斉に帰るので渋滞し、基地を出るまでに、なんと2時間近くかかりました。 帰りのバスでは、○○様グループは大変おとなしくホッとしました。でも、悲惨だったのは、食事にありつけなかった事です。 サービスエリアでは、弁当、おにぎりは売切れ。パン屋で菓子パンを2個買えただけでした(その直後パン屋も売切れ)。 ホットドッグ屋もあったのですが、15分待ちとの事。これではバスが出てしまいます。 ビールも探したのですが、最近のサービスエリアではアルコール類は一切置いてないのですね。まあ、とにかく 航空ショーには満足しました。我慢するしかありません。この日は、過去最高の27万5000人が米軍岩国基地を訪れたそうです。
2009年8月記
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