ホーム> 篆刻雑感目次>ハイキング イン ニュージーランド

ハイキング イン ニュージーランド

 「世界一美しい散歩道」といわれる、ミルフォード・トラック・・・ここを歩きたい一心で、 ニュージーランド行きを思い立ちました。しかし、ミルフォード・トラックをすべて歩くには、 何と3泊4日もかかるのです。ニュージーランドの 他の所にも行きたいので、ここは日帰りハイキングでも良いかな?と思いました。オーダーメイドのツアー や、レンタカーを使って・・・と言う事も一時考えましたが、ほぼ満足出来そうなツアーが見つかりましたので、 そのツアーを申込みました。
◆2014年1月14日(1日目)◆
 福岡→成田→(10時間半)→クライストチャーチと飛行機を乗り継ぐ。 ニュージーランド航空の安全ビデオは、ロード・オブ・ザ・リングに出てきそうな登場人物が出て来るのです。飛行機の 安全ビデオといえば、退屈極まりないものですが、これは面白いビデオでした。

◆1月15日(2日目)◆
 朝の10時にクライストチャーチ着。ここで入国審査。ニュージーランドの入国審査は、食品、土がついている可能性があるもの(登山靴等)の 持ち込みにとても厳しいと聞いていました。しかし私達の場合は、入国審査カードを係員に渡して、何を持っているか?とかの 簡単な質問に答えるだけで、スーツケースを開けられることもなく入国できました。
 クライストチャーチから、クイーンズタウンへの飛行(約1時間)は、すばらしいの一言でした。天気に恵まれ、ニュージーランドの 最高峰、アオラキ/マウントクック(以下マウントクックと記述)をはじめとする氷河に削られた山々、青く輝く氷河湖、氷河から運ばれてきた 石に覆われた川、幾何学模様の畑・・・。 飛行機の窓から外を見ても、どこを飛んでいるのか分らない場合が多いのに、このフライトでは良く分りました。それは、氷河湖が沢山あり、 それぞれが個性的な形をしていたからです。


氷河湖の水が流れ出した川。青白色の水が複雑な流れ方をしている。



テカポ湖とマウントクック。



プカキ湖とマウントクック(右側の一番高い山)

 書と篆刻の関係について時々考えています。書と篆刻・・・共通点があるけども、違う所も多い。 書は水の芸術、篆刻は氷の芸術、ではないか・・・と最近考えていました。水と氷には、HO という共通点があっても、形態が違います。書と篆刻には、文字という共通点があっても、 表現形態が違います。
 飛行機からの素晴らしい景観を見ていて、書と篆刻の関係が突然、目の前に浮かびました。
 液体の墨を使う書の作成中に中断が入ると流れが止まってしまって、後が続かなくなってしまいます。 書は液体の流れ、つまり川です。
 一方、固体の印刀を使う篆刻の場合、彫り上げるのに時間がかかる上に手が疲れるので中断と言うか、 休憩をはさまざるを得ません。書ほど制作における流れを感じませんが、流れを意識しないと作品になりません。 篆刻は固体の流れ、つまり氷河です。
 氷河に削られた山々は、印刀に削られた印材であり、川が織り成す流れは、紙の上の墨痕ではないか!しかも、氷河 から、川に変わる様は、篆刻で扱う篆書が、書で扱う行草書に変わる様を示しているではありませんか! ニュージーランドの景観が書と篆刻の関係について答えを出してくれた事は驚き以外の何物でもありません。

 クイーンズタウン空港で現地旅行会社のガイドさんのお出迎え。昼食用にサンドイッチ等を買い込んで車に乗り、テアナウに向かう。 ガイドさんは日本語を話すニュージーランド人。 車には私達二人だけだった事もあり、英語レッスンの為に英語での案内をお願いしました。難解な言葉は日本語の説明も交えてガイド してくれました。道の分岐や信号がない郊外での制限速度は、なんと100km。途中、工事のため片側交互通行の箇所で短時間の 停車があっただけで、とても スムーズな移動でした。約2時間でテアナウ到着。ホテル周辺のビジターセンター、湖畔、町のメインストリート等を散歩。 道沿いの花壇もきれいでした。夕食はスーパーマーケットで食材を買い込み済ませる。日没が遅く、21時を過ぎても明るい空に驚く。

◆1月16日(3日目)◆
 キーサミット・ハイキングの日です。あいにく朝から雨模様。ガイドさんがテ・アナウのホテルに迎えに来てくれました。 ガイドさんは昨日とは違う人(日本人)。今回の旅行では、場所場所で異なる人がガイドしてくれる。 今日は私達二人だけにガイドさんが一人ついてくれるという贅沢な設定。

 午後になったら天気が回復するかもしれないと言う事で、時間ずらしのため、ハイキングの前に、 ホテルから車で2〜3分の野鳥園(テ・アナウ・ワイルドライフセンター)に連れて行ってくれました。
 野鳥園に着くと、ちょうど餌付けの時間。飛べない鳥タカヘは、すごく珍しい鳥らしい。 プケコはタカヘに似た鳥(私には違いが分りませんでした)。 係の人が餌を持って来ると、草むらの陰から鳥がノコノコ歩いて出てきました。餌付けの時間でなければ タカヘを見る事はできなかったでしょう。
タカヘとプケコ
ケア
カカ

 野鳥園を出た所で、テ・アナウ湖にきれいな虹がかかっているのが見えました。ニュージーランドは天気が変わりやすいみたいです。 必然的に、雨のち晴れのパターンが多くあり、今回の旅行中も何度か虹が出現し、旅に彩を添えてくれました。
 もう一箇所、途中で寄り道して、ほんのちょっとだけ歩いた所が、Lake Gunn Nature Walkでした。 一面、苔で覆われた散歩道は実にすばらしかった。最初に訪れた散歩道で、また、予定外の場所だったので、 こんな所が沢山あるのだろう・・・と思っていましたが、旅行を終えて振り返って見ると、今回の旅行で一番美しい森の散歩道 でした。もっと沢山写真撮っておけば良かった・・・。

 ディバイドで車を降りる。今日は、ルートバーン・トラック(全部歩くと2泊3日位)のほんの一部を歩き、 これまたほんのちょっとの分岐道を歩き、眺めの良いキーサミット(標高919m)に至る予定。標高差は約370m。 ちょっと早めのランチ(サンドイッチ)を食べ、12時に出発。小雨が時折降るものの、整備された快適な道でした。 草花の説明を聞いたり、写真を撮ったりしながらゆっくり歩きました。頂上に近づくと木々がまばらになり、風がとても強くなってきました。

マヌカ
サウスアイランド・
エーデルワイス
ダガーリーフ・デイジー

 約1時間半後の13時30分に山頂に到着しても、雨模様の天気で、ここから見えるはずの、2000m級の周囲の山々のパノラマは、 全く見えませんでした。 しかし、湿原と苔に覆われた木々が霧に包まれていて、幻想的なキーサミットの風景を楽しむ事ができました(と納得するしかなかった)。 ガイドブック等では、キーサミットにはトイレがないと書いてありましたが、最近トイレが設置されたそうです。トイレの汚水 は、何とヘリで回収するそうです。
頂上の木道
頂上の湿原
苔に覆われた木の前で

 時間的な余裕があったので、降りる途中の分岐点から、ホウデン湖まで足を延ばすことにしました。ホウデン湖のほとりに着き、 休憩している時、家内がサンドフライ(小さな刺すハエ。刺されると強烈にかゆい)に刺されました。ガイドさんから薬をもらって 付けたおかげでか、幸い、かゆみはそれほどでもなかったみたいです。お菓子を少し食べた後帰路につく。 途中、分岐点付近で雲の切れ目が見え、リトル山を見ることが出来、 クリスティーナ山、クロスカット山は、その一部を見ることが出来ました。ディバイドに着いたのが15時40分でした。
ホウデン湖への道
ホウデン湖
クリスティーナ山の一部

 帰りには、羊の写真を撮るために、車を一時止めてもらいました。羊は道を走っている車には 慣れているけど、車が止まると何事か?と感じて、顔を一旦車の方に向けるらしい。車から人が降りてきたりすると、 臆病な羊は一斉に車から遠ざかる方に歩き出すから、すばやく写真を撮らないと、羊のお尻ばかりの写真になってしまうらしい。
 ホテルに戻る前に、土ボタルツアーを申し込もうと思って、ホテル近くのツアー会社で車を止めてもらいました。今日の分は あいにく満席で、明日の20:15発のツアーのチケットを入手しました。 ホテルに帰ってから、幸い空いていたスパでゆっくりできました。
 夕食はホテルでディナー(通常だと食べる勇気が出ないほど高いが、ツアーに組み込まれているので・・・)。 とても美味しいディナーに満足でした。しかし・・・請求書を見てびっくり!別途注文したワインとコーヒー代だけと思っていたら、 $142(13300円)!「ディナー代は旅行会社から支払われているはず」 と言う事を伝えるのに苦労しましたが、何とか伝わって、打ち直してもらった請求書$18(1700円)に安堵しました。

◆1月17日(4日目)◆
 ミルフォード・トラックハイキング。今日は良い天気。9時30分にテ・アナウをバスで出発し、約30分後にテ・アナウ・ダウンズ着。 私達も含めて5名のグループにガイドさんが1名付いてくれる。バスには他のグループも乗車していました。

 テ・アナウ・ダウンズから船に乗り換える。穏やかな湖面をグングン進む船はなかなか快適。約一時間後(11時頃)に グレイド・ワーフに着く。

 ここグレイド・ワーフがミルフォード・トラックの出発点である。ここまで来るためには、通常、前述のルートをとる事になる。 もし、陸路のみでここまで来ようとしたら、ドーア峠を越えるしかないが、この峠は(後ほど見えるのだが)とても 険しい峠である。

 憧れのミルフォード・トラックを歩き始めました(う〜ん・・・きれいな事はきれいだけど、 昨日歩いた道もきれいだったな・・・)。すぐに本道から右折してまわり道に入る。時間的余裕もあるし、本道とは ちょっと違った景色が見られるらしい。 多少の登り道が続いた後グレイド・バーンの沢に着く。ここからテアナウ湖を見下ろすことが出来る。
 歩いている途中で同行者からニュージーランド航空の安全ビデオの話がでました。やっぱり皆さん興味を持たれたんですね。 このビデオは、「ホビット 思いがけない冒険」の登場人物を意識して作られているらしい。この映画のロケ地は ニュージーランドですし、機内映画の中に有ったので、帰りの飛行機で是非見たいと思いました。
 森を抜けてグレイド・ハウスの近くに出てきました。ここで昼食。スープがとても美味しい。 グレイド・ハウスの前は川が流れていてすごく良い景色。これから歩くミルフォード・トラックへの期待が高まりました。
ミルフォード・トラック
グレイド・バーンの沢
グレイド・ハウス前の風景

 ここ、ミルフォード・トラックは、年間の3分の2は雨と言われるほど雨が多い地域。だからこそ、このような豊かな森に なっているのです。道の所々が川によりえぐられ迂回路が設けられている。きれいな川ですが、増水した時の凄さが感じられる。 ウェットランドを歩いた後、ミルフォード・トラック本道を戻り、16時15分にグレイド・ワーフから船に乗り帰路につきました。
つり橋
つり橋から見た景色
赤ブナの大木

中央の矢印がドーア峠
(ビューポイントより)
ウエットランドの苔
ウエットランドの木道

 テ・アナウ・ダウンズに戻る途中で見かけた「ひょっこりひょうたん島」。

 テ・アナウ・ダウンズからバスに乗り、テ・アナウへ。街中のシーフード料理店の前で バスから下ろしてもらい、食事。写真はホテルの裏手にある公園。

 さて、これから、ツチボタルツアーに出発です。 テ・アナウのツアー会社の裏手の船着場から20:15発のボートに乗り洞窟の入口まで行きました。入口前の建物の中で説明を受けて (英語の説明は、ほとんど理解できませんでしたが・・・)、 10人程度のグループに分けられて洞窟の中に入る。写真撮影は禁止されていました。 洞窟の中は水流の音で結構やかましく、大きな声で英語の説明がありましたが、これまたさっぱり・・・。 英語の説明の後は、中国人グループのガイドさんがこれまた大きな声で中国語の説明をされていました。 洞窟の中の瀧などを眺めながら奥に入っていくと、ボートに乗り込みます。ボートに乗ったら完全に 明かりが消され、ボートに乗った係員は、洞窟の上部に張られたワイヤーを手繰ってボートを進めているようでした。 ツチボタルは物音にも敏感と言う事で、ガイドの説明も含め一切の会話が禁止されました。 ツチボタルの光は、満天の星(緑色)。見た感じで言えばファイバーライトの先端の光のよう。暗黒の静寂の中を満天の星が ゆっくり流れていきました。
 写真は、ツアー会社(リアル・ジャーニーズ社)の広告用写真です。事前に見た時には、「これは、イメージだろう」 と家内と笑って話していましたが、さにあらず、実際は想像以上に幻想的で美しいものでした。

◆1月18日(5日目)◆
 朝、ホテルの部屋から外を見ていると、水上飛行機が着水してきました。

 今日は、ミルフォードサウンドクルーズ。下記の地図に、今日の行程を示します。 (参考までにミルフォード・トラックも示しています。ここは、昨日グレイド・ワーフの近辺をちょっとだけ歩きました)
 テ・アナウを9時半頃バスで出発。バスは途中の見どころに止まりながら進みます。

 ミラー湖・・・湖の表面が鏡のようだからこの名前があるらしい。ガイドさんは盛んに「今日は天気が良くて、周りの山々の景色も 湖に映っていて素晴らしいです」と言われていました。山々の景色はもちろん素晴らしいし、湖もきれいだけど、う〜ん・・・普通の湖だね。

 景色の良いところで、停車。氷河をいただいた山々が連なる。

 ザ・キャズム・・・シダが茂った道をしばらく行くと、急流と侵食された岩々の迫力ある光景が見られた。 写真は橋の上から流れを覗き込んだ所ですが、この写真だけ見ても、何がどうなっているか良くわからないですよね?(^^;

 駐車場に戻ると、人々が盛んに写真を撮っていました。見ると、トラックの荷台に、鳥がとまっていました。 鳥は、一昨日、野鳥園で見たケアでした。人の持ち物を持ち去ったり、壊したりするので「いたずらオウム」ともいわれているそうです。 日本では、こんな近くで野生の鳥を見る事はないでしょうね。

 バスの中でフライバック(ミルフォードサウンドからクイーンズタウンまで飛行機で戻る)の案内がありました。 フライバックの事は事前に知っていましたが、値段が高い(一人$375=35300円)ので、はなから考えて いませんでした。でもガイドさんの説明・・・単にクイーンズタウンまで飛行機で戻るのではなく、 ミルフォードサウンドの上空を遊覧飛行する事、晴天、かつ強い風が吹いていない等、気象条件がそろわないと 飛ばないし、希望者が多いと乗れないので、乗れた人は本当にラッキーである事・・・と言う説明を聞いて、思わず申込んで しまいました。乗れるかどうかは、クルーズが終わった頃に分るという事でした。
 船着場に着くと、ミルフォードサウンドの象徴ともいえるマイターピークが見えました。 一年の3分の2は雨が降ると言われているこの地で、とても良い天気・・・ではなかったですが、うす曇位でラッキーでした。 船に乗り込む前、船着場で待っていたらサンドフライが数限りなく寄って来ました。手で振り払うのも嫌気がさして来て 建物の中に入って、乗船が開始されるのを待ちました。

 船に乗ってから、先ず、ツアーに組み込まれている和食弁当を食べました。後で知ったのですが、和食弁当は、 $30(=2800円)もするんですね。食後はミルフォードサウンドの風景を楽しみました。

乗船した船
風景
野生のアザラシ

 船は、タズマン海を望むところまで来た後、引き返します。 スターリン・フォール(落差155m)のしぶきを体に浴びると10歳若返るという言い伝えがあると言う事で、 船はわざと滝のすぐそばまで近づきます。ズブ濡れにはなりたくなかったので、カッパを着て、ザンザン浴びて 来ました。
水平線はタズマン海
スターリン・フォール
に突っ込む他の船
今から突っ込む
スターリン・フォール

 フライバックを申込んでみたものの、値段が値段ですから、飛行機が飛ばなくても、満席で乗れなくても それはそれで良いな・・・と思っていました。クルーズが終わって、ガイドさんから「飛行機に乗れます!」 と聞いて、うれしいやら、悲しいやら・・・。
 スーツケースは小型飛行機に載せられないので、 バスで今日宿泊予定のクイーンズタウンのホテルまで運んでくれるそうです。ただし、クイーンズタウンの ホテルで会う予定のガイドさんは、4時間掛かるバスで来る事を想定しています。飛行機と送迎バスの時間を合わせて 1時間半で到着する私達は、クイーンズタウンについてから旅行会社に連絡するしかありませんでした。 (ミルフォードサウンドは携帯電話の電波が届かないので)
 ミルフォードサウンドの空港は船着場からバスで少しの所でした。飛行機の出発を待つ間、 近くの整備された道の散歩を楽しみました。
 名前を書くだけの簡単な手続きを済ませ、救命胴衣を着用し、使用方法の説明を聞いた後、飛行機に乗り込み出発しました。  ミルフォードサウンド上空を飛び、サザンアルプスの山々を見下ろしながら飛行機は飛んでいきました。途中、 世界でも5番目、落差580mのサザーランド・フォールズが遠くに見えました。 約40分でクイーンズタウン空港到着。各自で記念撮影と料金の支払い(到着後に支払いなのですね) を済ませ、ホテルへ送ってくれるワゴン車に乗りました。
離陸直前の機内
スターリン・フォール
と船
ミルフォード・サウンド

クイル湖と
サザーランド・フォールズ
山間の小さな湖
アースキン湖

ワカティプ湖畔
空港、ワカティプ湖
クイーンズタウンの町
パイロットと記念撮影

 クイーンズタウンのホテルにチェックイン。ホテルのフロントの電話を使わせてもらって、旅行会社に連絡。 30分後くらいにガイドさんが来られて、町の見所と明日以降の旅行の説明をしてくれました。
 ガイドさんはホテルでの説明だけで終わりだったのですが、たまたま町の中心部に行く用事があるとの事で、 クイーンズタウン・ガーデンの入口近くまで送ってもらいました。クイーンズタウン・ガーデンは、 とても広くてきれいに整備された公園でした。
 クイーンズタウンはとても狭い町で、 先ほどのガイドさんと町中のフードコートで会い、メインストリートで写真を撮っている時にも会いました。 フライバックしたおかげでクイーンズタウンの町の散策もする事もできました。ここのホテルでもスパが 楽しめました。

セコイアデンドロン
アオテアロア・
ニュージーランド
ニレ
(Horizontal Elm)

対岸に街が見える
街から
ワカティプ湖を望む
クイーンズタウンの
メインストリート

◆1月19日(6日目)◆
 朝、ホテルからワカティプ湖を眺めました。

 バスにてマウントクックへ向けて出発。途中、クロムウェルの果物店で休憩。とてもきれいな店のディスプレイに思わずシャッターを押しました。

 マウントクックに到着したら雨・・・。もちろん、マウントクックは見えません。しかし、今日は、 ハイキングの日・・・。不安を抱きながら昼食を済ませて、集合場所のロビーへ行く。ガイドさんは既にみえていて ハイキングは催行されるとの事。ここでも参加者は私達二人だけ。キャンプ場まで車で送ってもらい、 そこから歩き始めました。草花の説明を受けながらゆっくり歩く。しかし雨が降っているので写真は撮れない。 最初は小降りだったものの、だんだん風雨が強くなってきました。歩くのも辛く なってきたので、20分位歩いた所にある第一つり橋のところで、残念ながら引き返す事にしました。 写真は、引き返す前に、横なぐりの雨を木の陰で避けながら撮ってもらった一枚。写真では雨の様子は全く分らないですね。
 キャンプ場まで戻り、迎えの車を待つ間、小屋に入りました。中に入ると一組の夫婦(青木さん・・・仮名) がおられました。雨具がなくて途方にくれていたとの事。ホテルまで車に有料でも良いから乗せてもらえないか と私達のガイドさんに頼んで、ホテルまで同乗されました。聞くところによると、出発時には大変天気が良かったので、 雨具を持たずにフッカー・バレーのハイキングに出掛けられたそうです。ところが、帰る途中で天気が急変した との事(やっぱり山の天気を甘くみてはいけないですね)。雨具があっても歩くのが辛いほど強く雨が降っていましたから、 車に乗れてとても助かった御様子でした。
 ホテル近くのビジターセンター見学後、ホテルに戻り、ホテル内の、サー・エドモンド・ヒラリー・アルパイン・センターの3D 映画(マウントクックの歴史)と博物館を見学。雨でも退屈する事はありませんでした。写真は博物館にあった飛行機です。

◆1月20日(7日目)◆
 翌朝起きると、昨日の雨はうそのように上がっており、ホテルの部屋からマウントクックが見事に見えていました。今日は昼過ぎにバスに乗り、 オークランドまで移動する予定です。 午前中は自由時間なので、昨日ガイドさんに教えてもらった往復2時間くらいで行けるケア・ポイントに行こうと思いながら、レストランに行きました。 バイキングの料理には、納豆もあってびっくり。料理を取っている時に、昨日お会いした青木さん夫妻に会いました。 「昨日はありがとうございました」と言われましたが 車に乗せてあげたのは、ガイドさんで私達ではなかったのですよね・・・。私達がケア・ポイントへ 行こうと思っている話をしたら、青木さん夫妻は「フッカー・バレー、ケア・ポイントの両方に行ったけど、断然フッカー・バレーが すばらしい」と教えてくれました。フッカー・バレーは往復4時間位かかりますが、今からだったら間に合いそうです。 それでフッカー・バレーに行く事にしました。

ホテルの部屋から見えた
マウントクック
ホテルは大自然の中
セフトン山と
アルパインメモリアル(慰霊碑)

第一つり橋
ミューラー氷河湖
第二つり橋

木道とマウントクック
第三つり橋とマウントクック
フッカー氷河湖に浮かぶ
奇妙な形の氷塊

 昨日の雨で一部水たまりがあって歩き難い所はありましたが、フッカー・バレートラックは最高の散歩道でした。 ミルフォードトラックは木々の中の散歩道と言う事で、それはそれで気持ち良かったですが、フッカー・バレーの 雄大な自然の中の開放感は、素晴らしかったです。これこそ海外旅行の醍醐味だなあ・・・なんて思いました。 フッカー・バレーを薦めてくれた青木さん夫妻に感謝です。
 下の写真は、フッカー・バレートラックの終点の見晴台から撮ったものです。雄大なマウントクックとその足元を 流れるフッカー氷河が、フッカー氷河湖に流れ込んでいる所が良く見えました。
 ほぼ、4時間でホテルに帰着、出発の時間が近づいていたので、あわただしく昼食をカフェで済ませて、 ホテル裏手のバス乗り場で、クライストチャーチ行きのバスを待ちました。
 間もなく来たのはバスではなくてワゴン車で、乗客は私達二人だけ。12時30分にホテルを出発。滋賀県出身のドライバーは、 サービス満点の案内をしてくれましたので、 居眠りする暇もありませんでした。途中ミルキーブルーに輝くプカキ湖で停車してもらいました。湖の向うにはマウントクックの姿も・・・。 なんとも素晴らしい光景でした。

 次の瞬間、道路に珍しい光景が・・・なんと家が車に乗って動いています。家の引越しです。 ニュージーランドでは時折見かける光景らしいです。

 14時頃、テカポ湖畔で休憩を兼ね停車。善き羊飼いの教会を見る。あ〜残念。教会の扉が閉まっている。教会の裏側に回って 窓から中を覗き込み、教会の中から外の景色(これが見所の一つらしい)を見たかったな・・・と、ため息。 湖の景色を眺めながら、小さな教会の周りを一周したところで、何と教会の扉が開いたではありませんか!

 教会の中を覗いてみると、やさしそうな神父さんがいて、気持ち良く中に招き入れてくれました。小さな教会です。入ると直ぐに 正面の窓が目に入ります。ターコイズブルーのテカポ湖の景色は、教会の窓枠に飾られた一枚の風景画のようでした。

 14時20分頃テカポ湖畔を出発。

 途中ジェラルディンで30分休憩。クライストチャーチ空港へ到着したのは18時頃。マウントクックのホテルを 出発してから、(途中休憩も入れて)5時間半の移動でしたが、途中の風景の素晴らしさ、珍しさのおかげで 退屈する事はありませんでした。 空港のフードコートで夕食を済ませて、飛行機でオークランドへ。 22時頃ホテル着。旅行会社の人(スーツとネクタイ姿が堅苦しい)から翌日以降の説明を聞く。

◆1月21日(8日目)◆
 今日はニュージーランド観光の最後の日。丸一日フリータイムでオークランド市内観光。バスに乗ってオークランド博物館に向かいました。 バスから降りると、 私達の行き先を尋ねる人がいてびっくり。その人がバスから降りてきた運転手さんだったので二度びっくり。 博物館への道を教えてくれました。乗客も沢山居たのですが何と親切な運転手さんだったのでしょう。 緑多い道を歩いて神殿のような博物館に着きました。博物館の展示物だけでなく、マオリの民族舞踊を見てみたかったのです。 実はこの旅行の前まではマオリの民族舞踊?何それ?と言う感じだったのですが、調べていくうちに、 ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)が試合前に踊るハカダンスがマオリの民族舞踊から来ている事を知って、 見てみたいと思ったのです。  ショーはいろいろな歌あり、踊りありで、最後にハカダンスがありました。30分程度のショーで、 あっと言う間に終わってしまったという感じでした。
重厚な建物の博物館
マオリの集会所
マオリの彫刻

ハカダンス
恐竜の骨格標本
ゼロ戦

 博物館の周りは、きれいな公園で、ウィンターガーデンと言う温室もありました。

 バスでスカイタワーの前まで行き、昼食はメキシコ料理。スパイシーで、なかなか美味しかったです。店内にすずめが侵入していて 空きテーブルの上でピョコピョコ遊んでいたのがご愛嬌。
 スカイタワーでは、展望台から見える町並み、公園、港がきれい。時折、上から落ちてくる人(SKY JUMP・・・バンジージャンプみたいなもの) がいて、歓声が上がる。荒牧はしたかって?とんでもない!お金を払って怖い思いをするなんて、まっぴらごめんです。
スカイタワー
ハーバーブリッジと
ヨットハーバー
展望台から下を見る

 COUNTDOWN(スーパーマーケット)にて買い物後、一旦ホテルに戻る。ホテルに帰り着いた時、入口で、 マウントクックのハイキングで会った青木さん夫妻に偶然再会!今日は動物園に行かれたとの事。 フッカー・バレーに行く気にさせてくれたお礼を言うことが出来て本当に良かったです。ニュージーランド最後の夜の食事は、 ウインヤード・クオーター(港の飲食店街)にて、エビ料理を食べました。

◆1月22日(9日目)◆
 9時5分発の飛行機で成田へ。 離陸してしばらくすると、朝食が出てきました。朝からではありますが、これからの長旅をゆったり気分良く過ごすために アルコールを飲んで、夢うつつ・・・。ニュージーランドで見た氷河や川の事を思い出していました。
 水と氷が共存するという地球環境は奇跡に近い環境なのだと言われる事がある。温度が低すぎると氷ばかりになり、温度が高すぎると 水蒸気ばかりになってしまう。地球のように生命に適した星は、極めて少ない。書(水の芸術)と篆刻(氷の芸術)の愛好者 は減少していると言われているが、水と氷が共存する環境が生命に必要なように、書と篆刻も人生に必要なものなのではないか・・・。
 そんな事が頭を過ぎった所で、我に返り、映画「ホビット 思いがけない冒険」を見ました。そして映画の風景に、見てきた ニュージーランドの風景を重ねながら飛行機の長旅を楽しみました。
 蛇足・・・今回の旅行では飛行機の往路復路ともに映画を良く見て、合計5本も見ました。(^^;
 1)パシフィック・リム・・・久々に見た怪獣映画に興奮。
 2)パーシージャクソンとオリンポスの神々/魔の海・・・最初は不気味な一つ目小僧に親しみがわく。
 3)ウルヴァリン:SAMURAI・・・福島リラがカッコイイ。
 4)謝罪の王様・・・ゆる〜い笑いがたまりません。
 5)ホビット 思いがけない冒険・・・ニュージーランドの風景が忘れられない。
2014年6月 記

ホーム> 篆刻雑感目次>ハイキング イン ニュージーランド